この世界の片隅ニュース

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部活の闇は「外野の正論」で正すしかない

日刊スポーツの記者が書いた記事が炎上している。

 

www.nikkansports.com

なかなか、ぶっ飛んだ記事なのだが、特に、

多忙でどうしようもないならば、部活でなく、授業を減らせばいい。学業指導は学習塾にかなりの部分を依存している現状で、仮に授業時間が3分の2になって、勉強ができなくなって困る生徒は、果たして、どれほどいるのだろう。ゆとり教育の失敗を反省し、学習指導を改革すれば、授業時間削減の再挑戦も可能ではないか。 

 この当たりが特にヒドイ。どういう発想でこんな記事が書けるんだろうか。スポーツ紙だからスポーツによった内容にしたかったのだろうか。売れるからだろうか。学習指導要領をもう一度見直してから書いてほしいものだ。

 

ライターの松谷創一郎さんやコラムニストの小田嶋隆さんなんかもブログやコラムでこの記事の何が問題かを指摘している。どちらの記事も非常に勉強になるのでぜひ、お読みいただきたい。

 

私は特に小田嶋さんのコラムに色々と考えさせれるものがあった。

 

部活は「理屈じゃない」から理屈で勝っても仕方ない

要はこういうことだ。「あーなるほど!」と思った方もいるのではないだろうか。特に体育会系の部活は理不尽な練習、上下関係があるが、それを耐えてこそ一人前みたいな文化がある。今のスポーツ科学したら全くもって間違っているにも関わらずだ。

 

要は部活は「理屈じゃない」。だからこの記事を書いた人も支持する人も、理屈は通じない。理屈じゃないんだから。理屈で負けても負けたと思ってない。理屈じゃないんだから

 

この指摘はかなりクリティカルなものだ。理屈で正せると思い込んでいる人たちの鼻っ柱を折るものだ。

 

「本人が望んでいるんだからいいじゃないか」に対して

少し話はずれるが、以前、自身も甲子園に出場し、一時は高校野球部の指導員もつとめた方と話をした。甲子園は残虐ショーという批判に対して彼はこう言った。

「俺もそう思う。でも仕方ないんだよ。だって高校球児があの炎天下でやりたいと望んでいるんだから。甲子園に出た子の中でもプロや社会人・大学に行って野球を続ける子はほとんどいない。8割から9割の子達はここで自分の野球人生を終える。だったら彼らが夢見た舞台を守ってあげたい。

高校球児全員があの場所でプレーしたいと思っているかといえば疑問だが、大勢が球児がそう思っているのは間違いないだろう。

高校野球は商業ではない。だったら本人達が望んでいる場所で、心ゆくまでプレーさせてあげるべきなんじゃないかって話だ。

 

この意見には中々反論しずらい。だってどこまで言っても「外野は黙ってろ」だもの。

 

それでも外野が正論を言うしかない

堂々巡りだ。何度考えても。それでも部活による先生の負担や生徒のことを考えれば、誰かが外野から正論を言うしかない。

 

考えてみれば当たり前で、中の人は中のルールで闘う。ルールを疑ったら「中の人」になりえない。外野が「あれ変じゃね?」って安全な場所から、うるせーなと思われながらも言い続けるしかない。私も2児の父だ。子どもが野球をやりたい、甲子園で投げたいと言われたら全力で応援するだろう。「炎天下でやってんじゃねーよ」という批判に「外野は黙ってろ」と思うかもしれない。でも、そういう声がないと本当に子どもも先生も自分自身も追い込んでしまうかもしれない。